実臨床では、進行した膵癌症例に対する第一選択の化学療法はゲムシタビン+nab-パクリタキセル併用療法(GnP療法)です。本論文では、GnP療法にmTOR阻害剤であるラパマイシンを併用した治療法について、薬効を検討しました。弊社が現在販売している「ヒト膵癌オルガノイド移植マウス」を用いて薬効評価試験を実施し、GnPを投与したマウスに比較して、ラパマイシンを併用したマウスでは顕著に膵癌腫瘍が小さくなりました。 GnP療法にラパマイシンを併用した化学療法は、治療選択の少ない進行した膵癌症例に対する新しい治療法になる可能性が示されました。